気管支鏡検査か胸腔鏡手術か

肺癌のステージを見るためにはPET‐CT(Positron Emission Tomography。ポジトロン・エミッション・トモグラフィー)検査も行います。この検査は癌細胞がブドウ糖を取り込みやすい性質を利用した検査です。微量の放射性物質(18F-FDG)をブドウ糖にくっつけて血管内に流します。癌細胞が18F-FDGを取り込むとコンピューターの画像の上で光ります。ただし、この検査で光ったといっても必ずしも癌であると断定はできません。肺結核や肺炎など感染症や良性疾患でも18F-FDGを取り込みます。また癌細胞の密度の低い早期肺癌などでは癌であるにもかかわらず細胞数が少ないのであまり光りません。

この検査は遠隔転移やリンパ節転移の有無の診断に力を発揮します。リンパ節が腫れてなくても光ることも当然あります。よって転移が疑わしいと予想できます。なお、PETは脳、心臓、腎臓、膀胱などでの悪性腫瘍の診断には不向きです。

CTやPETでかなり肺癌の確率が高くなったわけですが、確定診断(細胞病理学的検査)はまだです。ここで通常、呼吸器内科医は喀痰細胞診とか気管支鏡検査による経気管支肺生検 (TBLB)などによって腫瘍の一部を採取して組織を確かめます。ただし、気管支鏡検査で採取が困難な場合やほぼ間違いなく肺癌だろうという場合は、その病理検査はすっ飛ばして手術をします。

この手術は、現在胸腔鏡手術という内視鏡手術が一般的です。つまり胸部に1~数カ所の穴(2-3cm)を開けて胸の中が映し出されるモニター画面を見ながらするものです。患部を切り取って、すぐに病理検査に出し肺癌と確定診断を得たら引き続き手術を継続してもう少し大きくとったり、リンパ節を郭清したりします。

*ポイント  気管支鏡検査での経気管支肺生検の成功率は病院によってまちまちです。大きな腫瘍なのになんで診断つけれないんだというような技術的に乏しい呼吸器内科医もいるので注意しましょう。特にどっちみち手術が必要なのであれは気管支鏡検査はすっとばしても良さそうですが、手術前に気道内腔に何もないことを確認することは一定の意義はあります。しかし末梢性(心臓から離れた肺の外側)の肺癌の場合は普通何もないことが多いです。また、気管支鏡検査はちゃんと鎮静剤を入れないとかなりつらい検査です。咳は出るし息苦しい。だから、どうせ手術が必要であるなら経気管支肺生検目的の長時間のこの検査は個人的には避けても良いように思います。

 

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