血管形成する血管には肺動脈形成とか無名静脈や上大静脈形成とかありますが、血管を一部切ってつなぎ合わせる方法と人工血管を介在して縫合する方法などがあります。血管は柔らかく通常は一定した組織なので気管支形成よりは簡単です。ただ、この手技も血管外科の知識は必須です。コツをわからず縫合すると血管壁が裂けたり、狭窄したり、捻転したり、内膜が解離したりします。最も注意するのは血管内膜がちゃんと外翻しているかどうかでしょうか。通常ドイツの呼吸器外科医は血管外科の修練を行い専門医を取ったあと、呼吸器外科の専門医を取っています。血管外科はどのような外科にも必須だということでしょう。私の出身大学も私が第一外科に入局したときは大外科制であり、心臓外科、血管外科、呼吸器外科、消化器外科が同じ医局内にありました。当時は県立中央病院の小児外科もありましたのでそちらも研修医はローテートで回されました。だから研修医はその5つのグループ中で1年間で3か月ごと4つのグループを回ります。だから回らないグループも出てきます。私は血管、小児、心臓、呼吸器と回りました。大学では消化器外科は外科は回っていません。外病院では研修しましたが。1年を終えて通常は外の病院に出向するのですが、なぜか私は大学にもう半年居残りさせられました。外に出すには危なかっしいと思われたのかもしれませんね。半年間心臓外科をさらに回りました。当時心臓外科は不整脈外科+小児心臓外科と虚血性疾患外科に分かれていたので、心臓は全て回ったことになります。1年目にASDのダイレクト縫合をさせてもらいましたが、心臓の筋肉はこんなに柔らかいんだと吃驚したのを今でも当時の手の感触で覚えています縫っている感覚があまりないというか。肺動脈縫合と同じ感覚です。