手術(オペ)の種類2

肺の切除範囲は肺葉切除が標準ですが、もっと小さく切除する区域切除とか部分切除とかいうのもあります。肺には区域といって気管支と肺動脈、肺静脈が小さな塊の肺に入った部分で構成されます。つまり肺葉は幾つかの区域で形成されているわけです。肺葉は胸膜で包まれていますが、区域は肺葉とは違い胸膜では境されていません。だから肺癌の細胞が血管やリンパ管に入っていると隣の区域に入る可能性が考えられます。よって肺を非解剖学的に切除する部分切除とか解剖学的(気管支、肺動脈、肺静脈が集まる塊)区域切除を行うのは相当早期の肺癌が対象です。一般には区域切除の対象はCTで肺がんの濃い部分が1-2㎝までと考えられています。逆に肺癌が二つの肺葉にまたがっているとき(つまり胸膜を超えている)は2葉切除を行います。これは右の上葉+中葉とか下葉+中葉とかが当てはまります。左は2葉しかないので2葉切除だと左肺をすべて切除する左肺全摘(肺摘除)になってしまいますね。片肺を全部取っても正常の肺の方は日常生活に問題はありませんが、いろいろな怖い術後の合併症があり、なるべく避けられる傾向にあります。しかし、この方法で癌がなくなり10年も20年も長生きされておられる方も現実に多くおられます。

区域には番号がついています

 

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