コロナ、コロナ、コロナとオリンピック



コロナの猛威はもうとどまるところを知りません。去年の今頃はさほど深刻に思っていなかったはずです。
その頃のコロナの認識は、風邪みたいなもので、かかってもある程度若ければ治癒する。ただ基礎疾患のある人や高齢者は注意した方がいいというようなものでした。欧州や米国と比較してもあまり罹患しない(罹患数は少ない)し、そんなに死亡する人も多くない。というような認識。。。また、そのことから日本人はもうすでにコロナへの抗体があるんじゃないかな。とか、日本人の遺伝子がコロナに感染しても軽症になる何かを持っているのではないかということすら言われてきて、なんか大丈夫じゃないかなという雰囲気はありました。(だからワクチン開発や確保が真剣でなかったのかとは言いません。)

人種の問題なのか。。?という疑問を持っていたのは事実なんですが、ただおかしいなと思ったのはコロンビア大学の加藤友朗先生の情報でした。加藤先生は門外漢の私ですら知っているくらいの、外科医なら誰もが知ってるくらいの名医です。東京大学薬学部、大阪大学医学部を卒業後、市立伊丹病院で研修。95年渡米。米国で脳死ドナーからの肝臓および小腸の移植手術を行っていましたが、最も注目されたのは世界初の多臓器摘出体外腫瘍切除手術を成功させたことです。多内臓移植がご専門、つまり多内臓移植は一般的に,肝臓,胃,十二指腸,膵臓,小腸および,場合により大腸や腎臓を一槐にして同時に移植する手技のことで,肝臓を一緒に移植する場合は完全多内臓移植(full MVT),肝臓を同時に移植しない場合は多内臓移植変法(modified MVT)といいます。肺移植は単一臓器移植です。単純な比較はできませんが、完全多内臓移植は縫合部位が多く複雑です。
まあ、それはどうでもいいのですが、その加藤先生がコロナに感染されたわけです。先生は1963年生まれなんで、去年は57歳でした。私とあまり変わりません。彼はもちろん日本人ですが、感染状態は壮絶だったということです。

記事では入院翌日に急激に重症化し、ICU=集中治療室へ。人工呼吸器やECMO=人工心肺装置に繋がれ、生死の境をさまよった。
彼を襲ったのは、免疫の暴走、敗血症、クモ膜下出血。更に血圧が大幅に低下し続け、救命のため、昇圧剤が上限まで投与された。
その間、1か月は記憶が飛んでいるという。退院までは2か月を要し、「神の手」と称賛されるメスを握る右腕が、脊髄脳神経の麻痺により、肩から上がらない後遺症も続いた。

こんな恐ろしいコロナウィルス感染。。。今考えても日本のものとはウィルスの種類が違うんじゃないか?と思ったわけです。
そして、現実にはもう1年以上長引いて、変異株にて、さらに感染は拡大しています。ワクチンは日本はほとんど入ってきていません。
今、恐ろしいのは新・新・新型コロナウィルスです。欧州(英国)型や、南アフリカ型でブラジル型でなくインド由来変異株です。
スパイクタンパク質にL452RとE484Qの二重変異を帯びているB.1.617株ってやつです。二重変異株って呼ばれています。
4月26日に加藤官房長官が「二重変異株,国内21件 (空港検疫で20件,国内で1件)」と発表しています。これだけでも震えがきますが、さらにB.1.617 + S:V382L (三重変異),ならびにB.1.618 (ベンガル変異型)が出てきました。。。ベンガル変異型は西ベンガル州で感染拡大しているウィルスです。インドが今どんな状況かはニュースでご存じだと思いますが、いまだにインドから航空機が日本に来ています。

これ、、、冷静に考えてオリンピックできるのでしょうか?(そりゃ、個人的にはして欲しいとは思いますが。アスリートの努力もわかっているし。。    でも。。)オリンピックで様々な変異株が日本に上陸して、ワクチンが効果なくとんでもないことにならないかと。。。いまだに医療従事者以外のほとんどの日本人ワクチン打ってないんですけど。。。




コロナ蔓延時の日本の医療体制

今回のコロナ禍で日本の医療体制の問題が指摘されています。地域医療構想は2025年の医療需要を予測して、現状と将来のギャップから無駄な病床削減や在宅医療の拡大などを目指す政策でしたが、ここにきて感染症を想定していなかったため見直されようとしています。コロナ・コロナで入院する病床がないのに病床数を減らすとは何事か!どういうことかということです。日本はイギリスのように公的病院が多くないので、税金投入されやすい日本の公的病院が今後もまず率先して感染症指定病院として病床維持したバッファー的なものとなるのは仕方が無いです。

Corona Virusに思う

しかし、そのためには有事に他の科を全て後回し、言い方が悪ければ犠牲にする必要性も出てきます。独立行政法人化したとはいえ大学病院も同じだろうと思いますが。しかし、大学病院や一部公的病院は高度医療も担っている。そのためには有事は病院に役割分担をするという発想が出てきて当然です。新型コロナウイルス感染症関連の医療機関向け補助制度も制度としては良いものだと思いますが、多分この補助金額では積極的に受け入れる病院は少ないのではないでしょうか。クラスターが起きれば全て吹っ飛ぶ勢いです。

コロナ感染がたとえ蔓延していても、他の通常の病気の患者さんもいます。緊急、準緊急なものとしては脳血管障害、心臓疾患、がんなどです。そういう患者さんを後回しに治療することも倫理的には正しいとはいえません。ICUや手術室の人工呼吸器をそれらの人からコロナ重症患者に使用するためというのは、緊急性を考えれば正しいことなのかもしれませんが。だから、やはり有事での病院役割分担でいわゆる有事コロナ専門病院を作るのが望ましいのではないでしょうか。全ての病院で少しずつという発想も悪いことではないですが、感染症に慣れてないスタッフがクラスターを引き起こす懸念があります。そのかわり、政府や自治体が有事コロナ専門病院には収入が減少した分は手厚い補助を行うということは前提ではあるのでしょうが。もちろん、さらなる拡大では全ての病院が同じ機能を果たさねばならないことにはなります。  コロナワクチンが世界中で開始されています。今後の焦点は変異ウィルスでしょう。死亡率が高いとされる英国型は約70カ国・地域に、ワクチンが効きにくいとされる南ア型は約30カ国・地域に、再感染の恐れが強いとされるブラジル型は8カ国・地域に拡がり、確認されています。

鳥インフルエンザと新型コロナウィルス



昨日富山県の小矢部市養鶏場で高病原性のH5N8タイプの鳥A型インフルエンザウィルスが確認され、14万以上の殺処分が行われ始めました。国内では鶏肉や鶏卵から人に感染した事例はないとのことですが、当然、ウイルスは病鳥の体液や内臓、糞便との接触によりヒトへ感染します。ヒトからヒトへの感染はコロナのように患者との濃厚接触による限定的なものです。H5N8ウイルスは2019年冬にヨーロッパで流行したH5N8亜型高病原性鳥インフルエンザウイルスが、2020年の夏にソ連に渡り秋に渡り鳥と共に大陸を渡って日本に侵入したと考えられています。日本では昨年11月に香川で発見されました。コロナの場合は主にヒトにより日本に入ってきました。(航空便の荷物への付着とかも考えられます)H5N8ウイルスはヨーロッパ型とは遺伝子は完全に一致していないようですがかなりの相同性があると言うことです。ちなみにHとNはウイルス表面に存在する2つの糖タンパク質の種類に基づくウイルスの分類型のことです。HA(赤血球凝集素タンパク)には、H1からH18、NA(ノイラミニダーゼ)にはN1からN11までの亜型が存在します。この亜型によって感染性や重篤性が変わります。亜型と書きましたがウィルスは常に変化しています。インフルエンザワクチンを折角打ったのにあまり効かないなんて当たり前の事ですね。ターゲットのウィルスで無いことの方が多いんですから。新型コロナウイルスは1ヶ月に2回くらいのペースで変異することが判っています。イギリスで今猛威を振るっている亜型ウィルス(VUI 202012/01)は初期の中国型に比べ29箇所もの変異が確認され変異スピードはかなり速いということです。また、感染性も70%くらい増強しています。日本に入ってきたら現状では済まされません。じゃあ、なぜこのウィルスはいつどのように変異するのかということですが、一説によると、免疫力の低い患者が新型コロナに感染し、長期間持続感染することで、免疫から逃れるために変異したウイルスが生き残り、亜型が生まれる可能性があるということです。じゃあ、過度な長期治療はやめるべきなのかという医療の原点を転覆させるような考えも出てきています。日本での問題はイギリスのようにウイルスの遺伝子配列の解析を強化できるのかということでしょう。


Corona Virusに思う



今回のコロナウィルス実は去年3月ごろはなめていました。まあ、半年くらいで収まるのではと。。。しかし、今1月末になっても収束の気配はありません。ここに来てさすがに日本は、世界は大丈夫かと思ってきました。(かなり遅いですね。。)ワクチンが開発されて実際投与されています。これが効果があればいいのですが、世界中の人に接種終わるのはいつなのか。。。それまで世界中の産業界は大丈夫なんでしょうか。コロナ感染症患者、特に重症患者が増えると医療崩壊になると言われていますが、もともと日本は医療崩壊ぎりぎりのシステムでした。民間病院が大多数を占める日本はイギリスのように逆に公的病院が多い国とは異なります。救急患者や妊婦の病院たらいまわしのニュースは珍しくありませんでした。ここに来てすべての病院、医院は減収だそうです。人件費比率など固定費支出が多い医療機関経営が普通ですので、手術が減っても人件費が減らないんだから減収となるのは当たり前ですね。大学病院などは独立法人化してるから相当厳しいことが予想されます。昨年9月に、2次補正予算の予備費のうち1兆1946億円を医療提供体制の確保にあてると閣議決定されたものの、支援は新型コロナ感染者(疑いを含む)に対応する医療機関に限られました。それじゃあ、コロナ疑い患者を民間病院が受け入れるはずがないなあと思っていたら、一昨日、新型コロナウイルス感染症からの回復患者を受け入れた後方病院では、1月22日以降、【救急医療管理加算1】(950点)を90日間、【二類感染症患者入院診療加算】の3倍相当の点数(750点)とは別個に算定可能と発表されました。これで後方病院が受け入れてくれるのでしょうか。。。ただ税金を医療機関に満遍なく赤字補填することは相当難しいんでしょう。なぜならいつまでというのがわからないんですから。。。ダイソンでウィルス全て吸えたらいいんですけど。

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